私たちと塩の深イイはなし NO.3 〜統計学は神の視座!?〜

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    台風が近づいております。

    明日あたりが一番接近するようです。

     

     

    その嵐とともに、むらなが吟さんがやってきました。

    今年は還暦を記念して北海道から沖縄まで歩きで縦断中!

     

     

    リュックの重量は10キロほど。

    ガチ歩きです。

     

    日曜日は福祉センターでライブ。

    楽しみにしています。

     

    さて、土曜日。先週のつづきをどうぞ!

     

     

    先週は、塩分の摂りすぎって本当に体に悪いの?

    塩分の摂取量は少なければ少ないほどいいのか?

     

    という現代の常識を打ち破る強力な武器、

    即ち、専門的な知識がなくても戦える超便利で強力な武器。

     

    それは「統計学」、というか、「統計データを読み解く力」。

     

     

    というところまでお話ししました。

     

    「えっ、統計学?」、「統計データ!?」

    面食らったかもおられると思います。

     

    少々お時間をいただきます。

     

     

     

    数年前、西内啓著「統計学は史上最強の学問」(ダイヤモンド社)という本が書店に並びました。

    大きな書店では平積みされていたので、ご記憶の方もおられると思います。

     

    著者の西内氏は1981年生まれ。

    東京大学医学部で生物統計学を学び、

    同学部医療コミュニケーション学分野で助教、

    大学病院医療情報ネットワーク研究センター副センター長などを経て、

    現在、調査・分析・システム開発、戦略立案コンサルティングを行っておられます。

     

     

    では、なぜ統計学が史上最強の学といえるのか?

     

     

    本のカバーにはこうあります。

     

     

    「あえて断言しよう。あらゆる学問の中で統計学が最強の学問であると。どんな権威もロジックも吹き飛ばして、正解を導き出す統計学の影響は現代社会で強まるばかりである。」

     

     

    さらに、本文の冒頭ではこう述べています。

     

     

    「なぜ統計学は最強の武器になるのだろうか?その答えを一言で言えば、どんな分野の議論においても、データを集めて分析することで最速で最善の答えを出すことができるからだ。」

     

     

    つまり、議論の対象となっている分野に精通していなくても、統計データを分析することで答えを出すことができる、というのです。

     

    西内氏はそれを裏付けるものとして、19世紀のロンドンで起こったコレラへの対策をあげています。

    以下は本書から抜粋、引用です。

     

     

    世界で最初の疫学研究は19世紀のロンドンで、コレラという疫病に対して行われた。当時、コレラはイギリス全土で四度の大流行を起こし、合計10数万人もの死亡者を出したと言われている。…当時のロンドンには高い教育を受けた科学者も医者も優秀な役人も十分にいた。…残念なことにコレラの流行に対しては無力であった。というか、むしろ場合によっては有害ですらあった。

    ある医者が提案したのは、彼の調合した特別な消臭剤によってコレラが減らせるというものだった。しかし、…

    そんな中、ジョン・スノーという外科医がやったことはごくシンプルだ。

    ・コレラで亡くなった人の家を訪れ、話を聞いたり付近の環境を観察する。

    ・同じような状況下でコレラにかかった人とかかっていない人の違いを比べる。

    ・仮説が得られたら大規模にデータを集め、コレラの発症/非発症と関連していると考えられる「違い」について、どの程度確からしいかを検証する。

     その結果をまとめたのが次のデータだ。

     水道会社A利用→家屋数40,046件、コレラ死亡者1,263人、1万件あたり死亡者数315

     水道会社B利用→ 同  26,107件、  同    98人、    同      37

    なお、使っている水道会社で住む家を選ぶといった習慣は当時のロンドンには存在しない。同じ地域の中では1つの家屋の大きさや、その中に住んでいる人数は平均的にほぼ等しい、と考えられる。

    ほぼ同じような条件で、使う水道会社だけが異なる家々の間で8.5倍もリスクが違うのであれば、そこに何らかの理由があると考えるべきだ。スノウの提案したコレラ流行の解決策はごくシンプルだった。「とりあえずしばらく水道会社Aの水を使うのを止める。以上!」

    スノウの主張は「科学的でない」あるいは「確実な証拠がない」として学会や行政からは退けられたが、彼の助言に従って水道会社Aの水を使うのを止めた町ではぱったりとコレラの感染は止まった。

    (ロベルト・コッホによってコレラ菌が発見されたのは30年後。当時は原因不明であったが、)コレラの流行を止めるためには、飲料水の水源を変えさえすればいい、という事実に変わりはない。頭やセンスや行動力に優れた人たちを集めて話あわせただけではこうしたシンプルかつ強力な解決策というのは出てこないし、むしろ握りつぶされることも多い。…

    人間の体には不確実性が多く、データをとって分析すると生理学的な理屈のうえでは正しいはずの治療法が効果を示さないケースや、経験と権威にあふれる医師たちが続けていた治療法がまったくの誤りだった、という事例が少しずつ明らかになってくる。…エビデンスは議論をぶっ飛ばして最善の答えを提示する。(以上、本からの引用抜粋)

     

     

    以上の西内さんの主張を私なりに解釈するとこうです。

     

    人間の体の仕組みというものは、人間の知恵ごときでそう安々と理解できるものではない。頭の中でどんなに精緻な理論を作り上げても、実際に体がそのとおり動くとは限らない。であれば、人間の体はブラックボックスであるという前提に立ち、実際に起こった事実、データを積み上げて対策を考えるほうが問題解決の近道である、

    ということでしょう。

     

    ところが、西内氏のような考え方、即ち統計データが大事だという意見に対しては、

    「物事は数字で割り切れるものではない」「データだけで判断するなんて非人間的だ」という主張が返ってくるものです。とりわけ、その道のプロ、専門家というものは、専門外の人間がデータをもとに口を挟もうとすると、「専門知識も、経験もないくせに…」と追い出しにかかるものです。(とりわけ、今の医療界はそういう状態にあるといえます。)

     

     

    しかし、先ほどのコレラ事件において、このような専門家たちの声に耳を貸していたら、即ち、統計データを蔑ろにして、コレラの因果関係の究明だけを追い求めていたら、おそらくコッホがコレラ菌を発見するまで犠牲者を出し続けることになったでしょう。

     

     

     もっとも、統計学を至上最強の学問と位置付けることについては私には少々異論があります。

     

    それは、史上最強の学問と位置付けるということは、統計学もほかの学問と同じ次元に位置付けることになるからです。私は、統計学はほかの学問とは別の次元の学問、というか視点であると考えています。

     

    例えば科学。科学は日進月歩。昨日まで正しいとされたことが、今日突然誤りとされることなどザラ。そうした科学の限界、即ち人間の知性の限界を思い知った人々が辿り着いたのが統計学、統計的なものの見方ではないかと考えるのです。それは言うなれば人間が持ちえない「神の視座」とでも言うべきものではないか、と思うのです。

     

    少々誤解を招く表現かもしれません。この点についてはおいおいお話ししてまいります。

     

     

    だいぶ横道に入ってしまいましたが、

     

    これからこの統計学、統計的なものの見方を使って、「塩分の摂りすぎって本当に体に悪いの?」について考えて参りますが、その作業においては、統計学とは?統計的なものの考え方とはどういうものか?をご理解いただく必要があります。少々お手間をとらせますが、しばらく寄り道にお付き合いいただければ幸いです。

     

    では次週まで。

     

     

     

     


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